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木更津公設市場に行ってきた

朝5時半に地元の公設地方卸売市場に行ってきました。
着いた時にはすで広いスペースにたくさんの種類の野菜が並べられ仲買人や卸市場の人、ホークリフトや運搬車が忙しく動き回っていました。
自粛期間とはいえ重要な食のインフラを支える卸市場は淡々と業務が行われていました。
卸市場の関係者の人といろいろ話をさせていただいたのですが、
「近年は生産者が大規模化しきて、単一の種類の野菜を大量に作る傾向があるため、時期によっては同じ野菜が余るほど生産され(価格が下がり)、無いときは全く無いといった偏りが起きることがある」と。
季節によって栽培出来る野菜できない野菜があるので生産の偏りがあるのはしょうがないことですが、昔は小規模な生産者が多様な野菜を栽培し、それが市場に集約されることで偏りが発生しずらかったということです。
考えてみると生産という観点で見ると農業は不思議な産業です。
自動車産業にしても衣料品産業にしても各メーカーはある程度の需要予測をたて、それに基づき生産調整を行い作りすぎなどで在庫が出ないようにするというのが基本と思います。
農業では個別の生産者が、自由に作りたいものを作れるだけ作り、あとは出たとこ勝負で卸市場での需要と供給の関係で価格が決まってしまいます。(直売所などでは自分で価格を設定できますが、市場価格と大きくかけ離れた価格設定はなかなか難しい)
「豊作貧乏」という言葉があります。気候が良く栽培がうまくいった時は生産者全体が豊作のため生産物が市場にあふれ価格が下がってしまうという現象です。結果的に生産者を苦しめています。
人口がどんどん増え食べ物が足りない時代はどんどん作れでよかったかもしれませんが野菜の価格を見る限り今は生産過剰な状態なのではないかと。
ニュースなどで石油の減産調整という話を聞くことがあります。OPEC(石油輸出国機構)が原油の協調減産などを行い原油価格の調整をするということですが、卸市場や、農協などにはそのような機能はありませんし、まあ原油のようにバルブの開閉だけで産出量を調整できるほど、農作物の生産調整は簡単では無いことも事実です。
マクロ的にみると日本人が1年を通じて食べる野菜の量や種類はそんなに変化が無いと思うので理屈では需要予測が可能な産業のように思いますが、誰がどうやって生産者の間を調整するのかという問題と、自然相手の野菜は工業製品のように予測通りに生産できないというところが最大のネックでしょうか。

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